モビリティ登録更新は、登録済みUEの位置や合意済み登録情報が変わった際に、そのモビリティコンテキストを維持します。到達可能性とシグナリング負荷を両立させる仕組みであり、登録済みUEがセルを変えるたびに初期登録を繰り返すわけではありません。5GS内の通常の3GPPアクセス移動は以下の経路に従います。EPS相互接続や特殊なアクセスでは追加手順が必要です。
契機と登録エリアを特定する
トラッキングエリア(TA)はTAIで識別します。登録エリアとは、TA変更だけを理由に登録を更新せず移動できる、ネットワークが割り当てたTAの集合です。割当リストがTA1とTA2を含む場合、その間の移動だけでは更新は不要です。リスト外のTA3への進入は、同じAMFが3つのTAすべてを担当していても、典型的な移動の契機となります。
登録エリアからの退出だけが契機ではありません。合意済みの能力やプロトコルパラメーターの変更、特定のネットワーク指示により、TAを変更しなくてもモビリティ登録更新が必要になる場合があります。実際の契機とRegistration Requestの5GS登録種別を確認してください。タイマーによる周期登録更新は別のケースです。

アクセスコンテキストに沿ってRegistration Requestを読む
UEは通常、5G-GUTI、登録パラメーター、NASセキュリティコンテキストを保持します。Registration Requestは5GS登録種別によって更新を識別します。条件に応じて、既存の5G-GUTI、Last Visited Registered TAI、UE Security Capability、PDU Session Status、Requested NSSAIを含めることがあります。これらはすべての要求に無条件で必要な項目一覧ではありません。
UEが新しいRANシグナリングコンテキストを確立する場合、gNBはTAIやNR-CGIなどのアクセス位置情報とともに、NAS要求をNGAP Initial UE Messageで転送します。適切なUE関連シグナリング接続が既にある場合、NAS転送はその接続を使います。したがって、すべてのモビリティ更新でInitial UE Messageが必須になるわけではありません。
同一AMF内とAMF間の処理を分ける
| ケース | コンテキストの処理 |
|---|---|
| 同じサービングAMF | AMFは既存のUEコンテキストを使い、新しい情報を処理して適用する登録エリアを決定します。TAリストが変わるだけでAMF間コンテキスト転送が必要になるわけではありません。 |
| 新しいサービングAMF | 新AMFは既存の一時識別子と適用される選択情報から旧AMFを特定し、必要に応じてコンテキスト取得を試みます。AMF選択は各TAとの固定的な1対1対応ではありません。 |
AMF間の場合、Namf_Communication_UEContextTransferで旧AMFから利用可能な識別情報、モビリティ、セキュリティのコンテキストを取得します。転送情報には、利用可能ならSUPI、GPSI、PEIに加え、アクセス・モビリティコンテキストが含まれます。旧コンテキストを特定または検証できなければ識別・セキュリティ手順が必要になる場合がありますが、UEが恒久的に識別不能になるわけではありません。
コンテキストを再利用しても認証を省略できるとは限りません。仕様とセキュリティ条件が求める場合、Identity Request/Identity Responseや5G-AKAなどの認証を実施します。一方、転送の成功によってすべての識別・セキュリティ手順が必須になるわけでもありません。短いトレースを不完全と判断する前に、コンテキストの有効性と完全性検証を確認してください。

UDM、ディスカバリー、ポリシーの処理を理解する
サービングAMFの登録を変更する必要がある場合、新AMFはNudm_UECM_Registrationを使って、対象アクセスのUDMサービング関係を更新します。規定の条件下では、UDMがNudm_UECM_DeregistrationNotificationで旧AMFへ通知します。これは以前のサービング関係の整理であり、常にUEと行う登録解除のメッセージ交換と混同してはいけません。
AMFは必要な加入情報と変更通知の購読を取得または再利用します。アクセス・モビリティ情報には、GPSI、加入スライス情報、加入UE-AMBR、周期登録パラメーター、RAT制限、サービスエリア制限などが含まれる場合があります。別のSMF選択情報には、S-NSSAIに関連するDNN情報を含めることがあります。
NRFディスカバリーは、ネットワーク機能の所在確認が必要なときに使います。すべての更新で新たな検索トランザクションが必要なわけではありません。同様にAMFは、無条件に新規アソシエーションを確立するのではなく、必要に応じてPCF AM Policy Associationを選択または更新します。有効な状態を保持していれば、UDM登録、加入情報取得、ポリシー処理を短縮できます。
PDU Session Statusはセッション状態の整合に役立ちます。要求や移動ケースにより、既存セッションにSMFコンテキスト更新やユーザープレーンの有効化が必要になる場合があります。登録の受理だけでは、新規PDUセッションの作成にも、ユーザープレーンサービスの再開の証明にもなりません。
Registration Acceptと完了を正しく解釈する
Registration Acceptは、登録結果と、TAIリスト、Allowed NSSAI、T3512など適用されるパラメーターを提供します。すべての応答にすべての任意情報要素があると想定しないでください。モビリティ登録更新が成功すると、TS 24.501に従って新しい5G-GUTIを割り当てます。登録手順または該当する汎用UE構成更新手順で通知できます。
UEは確認応答が必要な場合、特にRegistration Acceptに新しい5G-GUTIが含まれる場合にRegistration Completeを送ります。その有無は受信情報要素に照らして解釈します。必要なRANコンテキストを確立する際、AMFはNGAP Initial Context Setupを使用できます。既にコンテキストがある場合は、別のコンテキスト手順やNAS転送手順が適用されます。Registration Acceptが必ず新しいInitial Context Setupの交換と結び付くわけではありません。

実用的なトレース確認項目に従う
後続メッセージを調べる前に、契機、保存済みTAIリスト、現在のTAI、登録種別を確認します。
サービングAMFと、コンテキスト転送が本当に必要かを確認します。取得失敗時は、5G-GUTI/GUAMI、AMFのアドレス設定、完全性検証結果を調べます。
コア内で処理が止まる場合、必要なUDM登録、加入情報へのアクセス、ポリシー結果、エリア制限を確認します。任意トランザクションがないことは、障害の証拠ではありません。
受理通知がUEに届かない場合、NAS、NGAP、RANコンテキスト、トランスポートのログを突き合わせます。その後、必要な完了処理とセッション復旧を別々に確認します。
よくある質問
セル変更は必ずモビリティ更新を起動しますか。
いいえ。割り当てられた登録エリア内でのセル変更やTA変更だけでは不要です。ただし、別の規定された登録更新条件が適用される場合はあります。
登録エリアを出ると必ずAMFが変わりますか。
いいえ。同じAMFが新しいTAを担当し、既存コンテキストを使ってUEの登録エリアを更新できる場合があります。
周期登録更新とは何が違いますか。
周期登録更新の契機は、適用される周期タイマーの動作であり、必ずしも移動ではありません。どちらもRegistration Requestを使うため、メッセージ名だけでなく登録種別を確認してください。
4Gから5Gへの移動も同じ手順ですか。
同じ登録種別を使う場合がありますが、元のコンテキストが異なります。EPSから5GSへの相互接続では、MMEコンテキスト、マッピングされた識別子、対応している場合のN26が関与することがあります。5GS内の旧AMFを使うフローを、すべてのEPS相互接続ケースに当てはめないでください。
技術参考資料
登録の枠組みと条件付きコアネットワーク処理については、 3GPP TS 23.502、Release 18の特に4.2.2.2節を参照してください。
NASの契機、一時識別子、完了条件については、 3GPP TS 24.501、Release 18の特に5.4.4節と5.5.1.3節を参照してください。
タイマーで起動する別のケースについては、 周期登録更新を参照してください。