本書は、本機器のマルチキャスト通話機能について記載しています。 マルチキャスト通話とは、機器が着信を受けた後、通話先の音声をマルチキャストネットワークへ送信し、ネットワーク内の他機器で音声ストリームを受信・再生できる仕組みです。同時に、着信した機器自身のスピーカーからも音声が再生されます。
弊社現行販売モデル全機種。生産終了(EOL)製品は対象外となります。
通常の通話は2台の機器間で全二重双方向の音声通信を行います。 マルチキャスト通話機能は、この仕組みを拡張し、放送用途に対応させた機能です。 本機能において、発信機は主にIP電話、受信機はBK-DAB-PA3などの放送機器となります。放送機器が通話と音声を受信すると、ローカルで音声再生を行うと同時に、事前設定されたマルチキャストアドレスへ音声を転送します。1台または複数のマルチキャスト受信機が同期して音声を再生します。

図1 通常通話

図2 マルチキャスト通話
シナリオ1:放送呼び出し
IP電話からBK-DAB-PA3放送機器へ発信し、グループ全体へ一斉放送を行います。

シナリオ2:音声拡声
IP電話で受信した音声を拡声します。
補足:送受信機の音量と距離を調整し、ハウリングの発生を防いでください。

PoEスイッチに接続され、有効なIPアドレスを持つ放送機器を2台以上準備してください。
同一LAN内に、各機器へアクセス可能な設定用PCを準備してください。
下記の図の通り、IP電話と放送機器をPoEスイッチに接続してください。

マルチキャスト通話を使用するには、事前に機器設定を行う必要があります。 本書ではF600S(発信機)、PA3(マルチキャスト送信機)、PA2 / PA2S(マルチキャスト受信機)を例に解説します。 設定項目: 1. PA3 マルチキャスト送信機設定 2. PA2 / PA2S マルチキャスト受信機設定 3. F600S ↔ PA3 通話設定(その他FAQを参照)
送信機は動作プラン機能を使用します。発信番号と通信方向を判定し、マルチキャスト動作を実行します。

設定項目説明:
- 番号:発信者番号を一致判定します。任意の番号には「.」をワイルドカードとして使用(例:「71.」は71から始まる番号に一致)。「172.18.8.」のようなIPプレフィックスにも対応。
補足:「.」はドットワイルドカードです。
- タイプ:接続完了を選択(通話応答後にマルチキャストを開始)。
- 方向:両方向・着信・発信から選択。
- URL:マルチキャストアドレスを「mcast://IP:ポート」形式で入力
IP範囲:224.0.0.0 ~ 239.255.255.255
ポート番号:1~65535(1000以上推奨)
- 動作:マルチキャストに変換を選択。
PA2 / PA2Sのウェブ管理画面にログインし、設定 → マルチキャストへ進み、送信機と同一のマルチキャストIP・ポートを入力してください。

図1 PA2S マルチキャスト受信機

図2 PA2 マルチキャスト受信機
設定項目説明:
- インデックス/優先度:数値が小さいほど優先度が高い(1が最高優先度)。優先度の高い放送が低いものを中断可能。
- 名称:任意の名前を設定可能。
- ホスト:ポート:送信機の設定と完全に一致させてください。
- チャンネル:0のまま固定(Polycom機器との互換用設定)。
設定完了後も機能が正常に動作しない場合は、以下の項目を確認してください。
送信機と受信機が同一LAN内に接続されていることを確認。スイッチ・ルーター・VLANによってマルチキャスト通信が遮断されていないか確認してください。
送信機の番号判定ルールが発信者番号と一致しているか確認。一致しない場合、マルチキャストは起動しません。